『台湾で働く』現役日本語教師が教える日本語教師になる方法と給与事情!?
こんにちは、今日は現役日本語教師(偉そうな響き)の私がどのように台湾で日本語教師になったか、給与、苦労などを書いていこうと思います。現在は副業のような感じでやっています。
あくまでも自分の経験のシェアなので細かい事は日本語教師のプロの方に聞いて下さい。ちなみに私の中国語レベルはコミュニケーションが取れ、生活にはそこまで問題無い位です。
※先に言っておきますが、私の場合台湾人と結婚した為、台湾での就労ビザ取得が必要無いので若干有利だったのかもしれないという事もあります。
- 台湾で日本語教師になる為にしたことは?
- 台湾で仕事探しといったらここに登録
- 給与・出勤時間・授業内容
- 日本語教師 D社
- 給与・出勤時間・授業内容
- 大学や大手日本語学校の正社員を目指そう
- 台中での移動手段
- ビザに関して
- 日本語教師をやってみて
- まとめ
台湾で日本語教師になる為にしたことは?
日本語教師になる為に、『日本語教師養成講座』を420時間受けたかとか『日本語教育能力検定試験』に受かったかと言われたら特に何もしていないんです。何をしたかというと台湾に来た時に下記就職サイトに登録しただけでした。
※求人に上記資格を必要としている機関も多数あり、そちらの仕事の方が給与は良いですし応募の幅も広がります。
また、台湾に来た当初私は日本語教師をやろうという考えはありませんでした。というか頭の中に日本語教師という職業が無かったんです。なぜそんな私が日本語教師になったかと言うと、知り合いの台湾人に日本語を教えていたり、日本人の知人からも「日本語教師が向いている」と言われた事がきっかけですね。
そして台湾の就職サイトに登録したら、連絡が来て面接と進んで行った感じです。
日本語資格を取って頑張っている方は素晴らしいと思いますが、海外では資格が必要無いという所も多いのは事実なんですね。
ただこれは私が台湾人と結婚しているので新たに就労ビザの必要が無いからというのが大きなポイントとなります。
新たにビザの申請が必要な場合の方は『日本語教師養成講座』受講済みの資格だったり、日本語教師就労経験が問われる所がほとんどですので、将来に台湾や海外で日本語教師になりたいと思っている方は資格を取っておいた方がいいですね。
台湾で仕事探しといったらここに登録
『104』
104人力銀行 - 工作機會數領先,找工作、找人才必用的人力銀行
『1111』
【找工作】依工作性質、企業類型或專長找適合的工作機會-1111人力銀行
どちらも有名ですが、チャンスを増やすために両方登録しておく方が良いですね。
他にはネットで『日本語教師』『台湾』『求人』などで調べれば結構出て来るのでそこに連絡して聞いてみるのが一番安心なやり方だと思います。
これらの人材会社に登録しておくと各企業が自分の履歴書を見てくれて、興味があったらメールが来るので、送られてきたメールを見て自分が興味ある仕事なら面接などの予約をするといった感じです。
もちろんサイトから自分の希望の仕事を探して連絡する事も出来ますしその方が効率は良いと思います。
既に台湾でワーホリビザなどがある方は敷居は良いですが、ビザが無い方はホームページなどを見て連絡して、就労ビザ発行の手続きをしてもらってから台湾に向かうのが良いですね。
私の場合は履歴書登録が終わってから数日後、民間語学学校数社から日本語教師のオファーがあったので、不安はあったものの挑戦してみようという気持ちから面接を受けてみる事にしました。
日本語教師 X社
ここは家から近かった事もあり面接に行くことに。規模は大きくなく、台湾でも全部で3校と分校は少なめの塾です。
マンツーマン授業、クラスを受け持っての授業両方あり、生徒の応募によって時間割が振り分けられる感じです。
ただ、基本的には学校や仕事の終わった時間の授業がメインとなる為、安定して授業時間を確保したいというのは難しいと思いますので本業として稼ぐのには合っていないかもしれません。
面接はどんな感じ?
若干お固い感じの面接で、今までの日本での経歴などを30分位聞かれたりしました。ちなみに会話は中国語でした。面接後、空いている日に模擬授業を見せてと言われたので、後日模擬授業を行う事になりその日は終了。
授業とか全くやった事ないけど大丈夫かな?と不安でしたが、まず教科書も持ってないので、知り合いに他の学校の教科書借りに行く所からでした。
家で教科書を眺めながらイメトレをして本番臨む事に。
模擬授業は30分間で内容は50音を教えるとの事でした。
相手は面接官のおばさん一人...
開き直って、「自分の後について読んで下さい」とか『あ』から始まる単語はこういうのがありますなどと自分なりに頑張っていたらあっという間に終了。
模擬授業もそうだし、全部中国語っていうのもすごく疲れたし、変な汗がいっぱい出ました。
結果は面接官に「教師の経験あるの?」と聞かれて。無事合格との事で一安心。
給与・出勤時間・授業内容
給与は時給で計算し、1時間400元(約1500円)との事でした。台湾の最低時給が130元(約500円)と考えると約3倍なので日本の給料と比較しない方なら悪くはないかと思います。
1コマは2時間なので、1回の授業で800元(約3000円)でした。
マンツーマンなどで生徒が急に休んだ場合も給与は保証してくれるとの事でその点は安心です。
ただしクラスによっては自分で教科書を準備したり、資料を作成したりする時間もあるので最初のうちは結構準備で大変なんですね。
一番の問題は担当クラスを貰えるかという事なんですね。ここの語学学校では生徒の募集をして、3人以上集まるとクラスが開かれるという感じなので(マンツーマンの授業以外)そもそも募集期間に希望者が来なかったら、クラスは開かれないのでそこで終了です。
そして生徒がある程度集まった段階でのお試し授業を開き、その後生徒が参加するかを最終決定する事になります。
そこでも3人以下になったら授業は開かれずに終了となるので一番大事な授業かもしれませんね。
ひとたび授業が開始されればその後は生徒が来ても来なくても関係なく給料は貰えるのですが、約2,3か月後に再度クラスの開催の有無が問われるので、継続して授業を受ける生徒と新規の生徒の合計が3人に達しなかったらそこでも終了となるので教える側も適当な事をしていたらあっという間に全ての授業は無くなってしまうと思います。
完全に実力社会的構図で、人気のない先生は全く自分の授業が無く、他の先生が休みの時の代理のみといった感じになってしまう人もいました。
又、自分の予想ですが、お試し授業を優先的にやらせて貰えるのは出勤年数や学校の主任との関係もあると思うので、最初は授業が貰いづらいと思います。
恐らく知り合いの台湾人に授業を優先するだろうし、私も開始当初自分の授業は週1のみからのスタートでしたので。
という事で最初の一か月のお給料は5000元位と厳しい結果に。
お試し授業も一回しか貰えなかったので、この塾との付き合い方を考える事に。
日本語教師 D社
X社の授業が少なかったのもあり面接に行く事にした塾。
この語学学校は台湾で一番大きく、マネージャーは全て日本語で対応してくれるので中国語が話せない方でも安心ですね。
日本人の先生も沢山いますし、ハードルは高くないと思います。
又、日本在住者でも希望であればビザサポートしてくれるらしく、日本在住時にこちらの語学学校のホームページから応募して台湾に来たという先生もいらっしゃいました。
面接はどんな感じ?
電話でビザなどの質問を簡単に聞かれて5分位で終了。
「どこなら通える?」とか採用がすでに確定している感じでした。
「時間がある時に近くの分校に履歴書持って来て」との事で持って行く事に。
「分校で他の先生の授業見てそんな感じでやって」との事で、日本人先生の授業を2回見に行く。しかも2回とも同じ先生だし…違う先生の授業見せてと思いましたが。
という感じで特に何もせずに無事合格。
自分の真っ白なスケジュールを送って、授業を入れれるだけ入れて下さいと言ったら、始めたばかりだったがそれなりに入れてもらえました。
給与・出勤時間・授業内容
給与はこちらも時給で計算し午前中と午後は300元前後、夜は300元後半といった感じでX社よりも安いのですが、この語学学校は午前中から授業があるので、授業数が多く、働ける時間は圧倒的に多くなり安定感はありますね。
授業は1コマ1時間半か2時間で夜の時間は2時間という授業が多いです。
シフトも働きたい時間だけ伝えればいいし、休暇も簡単に申請出来るのでその点はとても働きやすいですね。
マイナス点は生徒が一人も来なかった場合は1時間分の給料しか貰えなくなってしまうので最低一人の生徒は確保したいという所ですね。
ちなみに私の最初の一か月目の給与は20000元程度でした。(約7万円)
安定して決まった授業が確保出来れば週5で毎日5時間程働ければ30000元(約10万円)は超えるはずなので生活は出来ると思いますが、一生この仕事だけというのは厳しいと思うので、もっと割の良い家庭教師や翻訳などの仕事をしながら、空いている時間にこの仕事をしたり、将来大学などで本格的な日本語教師になりたいと考えている方のステップとしてはありかと思います。
ただしビザの関係もあり、労働ビザで日本語教師をやっている方は働ける校舎の数が決まっているらしいので、他の先生が休みの際に代講で代わりに授業をするといった機会は少なくなってしまう可能性もあります。
この学校の特色は授業のコースが多岐にわたっている事です。コースが沢山あり完全に初めたばかりの『50音』から『初級』『中級』『上級』『日本語検定対策』『観光』『ビジネス』など色々とあります。
中国語が話せると『50音』や『初級』などの授業を貰える機会が増えるので中国語を話せる方の方が授業は増えやすいかもしれません。
又、教科書などの教材は全て学校が提供してくれるのでこういった手間が面倒という方にはいいですね。
他にはこの語学学校はサブスクリプションシステムを採用しており、1年~3年単位とかで学費を払ってライセンスを買うとその期間内は授業が受け放題となります。
授業を受けれる校舎も多数あり、バイクで移動する事の多い台湾の方は自分の都合の良い時間と場所で授業を受ける事ができ、わざわざ気に入っている先生の授業を受けにいくという方も多いです。
なので、適当に授業をやっていたり、生徒に嫌われるような事があると生徒が減っていったり、クレームが入ったりする事もあるようです。
その反面、良い授業をしていれば自分の授業を探して来てくれる生徒も増えるわけなんですね。
他には授業を増やすコツとして、カウンタースタッフと仲良くしておく事と中国語が話せる事が挙げられます。
基本的に他の先生が用事で来れない場合はカウンタースタッフが日本語の話せるマネージャーに伝えて、マネージャーから代講の依頼が来るのですが、中国語が話せる場合はカウンタースタッフが直接連絡してくれるので授業を貰える可能性がぐっと高まります。
カウンタースタッフもマネージャーに連絡してなどの面倒な事はしたくは無いので、仲の良い中国語の話せる先生から代講可能か聞くのは当然なんですね。
大学や大手日本語学校の正社員を目指そう
将来的に日本語教育の関わりたいと思っている方は台湾の大学の日本語学科の教師や大手日本語学校の正社員というのが理想的な道ですね。
給与も5万元以上の求人が多く、経験を積めばそれ以上となる可能性も高いので台湾で暮らして行くのであれば給与面的にもそれなりに安定してくると思います。
ただこういった求人はタイミングも重要になってくるので、いくら経験や資格があってもすぐに見つかるという方は難しいのが現状だと考えられます。
台中での移動手段
台中で暮らすのに一つ気を付けて欲しいのは、台中で働くとしたら交通手段はそこまで便利では無い事です。メインの通りにBRT(市内の大き目のバス)などは通っているものの、不便な場所も多いのが現状です。
私の移動手段は原付なので問題は無いのですが、台湾ではバスなどは時間が読みにくいので早めに出ないといけないので、バイクが怖いという方は自転車を買うかYouBikeなど貸し出し自転車を利用するべきだと思います。
ビザに関して
ビザに関しては個別で各学校に確認して、日本にいる時に準備して貰うべきです。
留学後に仕事を探すとかいう場合は別ですが。
また、D社に就業ビザを出してもらって、X社でこっそり働くとか掛け持ちするのは違法になりますし、ビザ無しで働ける所があったとしてもそれは不法就労なので見つかったら強制退去となります。
現状、日本語教師のビザ取得はハードルは低く設定されており、その分一般の就業ビザに比べて給料が安くなります。
一般の就業ビザは月約48000元(約17万円)の給料が必要とされているのですが、日本語教師はそうではないのです。
塾などの日本語教師の場合は平均で3万元程度(約11万円)になるかと思いますのでお金を稼ぎたいと言う方には向きませんね。
日本語教師をやってみて
教師という人に何かを教えるという責任のある仕事なので、仕事でのプレッシャーはあります。
急に先生と呼ばれて、助けてくれる人もいない中のスタートです。自分の場合は生徒に恵まれた事もあり、大変ではありましたが充実感は感じられます。
辛い事としては頑張って準備して授業に臨んだら生徒が一人も来なかったとか、生徒の質問に答えられなくて焦ったとか、色々な問題はあったがそれも良い経験ですね。
わからなくても焦らずに次回調べて来るなどと生徒に伝えれば、そこまで問題ではありません。
教師をやって一番思うのは、日本人だから簡単に日本語を教えられるかといったらそうではないという事です。
助詞の『が』と『を』は何が違うのとか、この単語は『自動詞』『他動詞』とか答えられますか?
わからない方が多数だと思います。自分もそうでしたから。
しかし、苦労も多いですが生徒から日本語能力試験に合格したとか、先生に教われて良かったなどの言葉を聞くと自分の事のように嬉しく、充実感はあります。
自分のレベルはまだまだですが、将来的にはボランティアでも良いのでこういった仕事に関わっていきたいと思います。
将来性
食べるのには困らない適度の給料でも大丈夫というのであれば日本語教師を続けても良いと思います。
資格があればどの国でもつぶしはきくでしょうし、なんとかはなるとは思いますが、待遇があまり良くないのも事実ですので覚悟は必要です。
お金が稼ぎたいというなら日本語教師をしながら『通訳が出来るレベルまで中国語を磨く』とか『個人で家庭教師をやる』とか『企業に日本語教えに行くなどの案件を獲得する』などが理想だとは思います。
個人的な見解として今後の日本では外国人労働者が増える事や日本の語学学校の講師など需要は増えていくと思います。
まとめ
・日本語教師になるだけなら難しくはないがその後は大変
・日本語教えるのは難しい
・給料は日本と比べると安い
・働く時間は自由に決めれる所が多い
・タイミングによっては担当出来る授業が少ない
・中国語が出来る方が良い
・資格『日本語教育能力検定試験』や『日本語教師養成講座』を持っていないと働けない機関も多い