【台中生活】Taichung Life

台湾の台中での日常生活のあれこれを書いてます。

世界幸福度ランキング東アジアトップの台湾に学ぶ自分らしい生き方とは

ニュースを流し読みしているとふと世界幸福度ランキングという記事を目にした。そのランキングに目を通していくと台湾のランキングは東アジアでトップだという事を知り驚いたが、台湾での5年あまりの生活を思い返してみると確かに台湾人の方が日本人より楽しそうに生きているなと思った自分がいたのだった。

そもそも世界幸福度ランキングとは国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する幸福度調査のレポートで、簡単に説明すると世論調査に下記6項目の結果などを加味して数値化した指標である。

1.一人当たり国内総生産GDP
2.社会保障制度などの社会的支援
3.健康寿命
4.人生の自由度
5.他者への寛容さ
6.国への信頼度

 

台湾の幸福度ランキングは世界で25位日本は56位にようやく顔を出すありさまだ。

なぜ台湾人の方が幸せそうに生きているのかを考えていこうと思う。

順位 国名 スコア
1位 フィンランド 7.842
2位 デンマーク 7.62
3位 スイス 7.571
4位 アイスランド 7.554
5位 オランダ 7.464
6位 ノルウェー 7.392
7位 スウェーデン 7.363
8位 ルクセンブルク 7.324
9位 ニュージーランド 7.277
10位 オーストリア 7.268
11位 オーストラリア 7.183
12位 イスラエル 7.157
13位 ドイツ 7.155
14位 カナダ 7.103
15位 アイルランド 7.085
16位 コスタリカ 7.069
17位 イギリス 7.064
18位 チェコ 6.965
19位 アメリ 6.951
20位 ベルギー 6.834
21位 フランス 6.69
22位 バーレーン 6.647
23位 マルタ 6.602
24位 台湾 6.584
25位 アラブ首長国連邦 6.561
56位 日本 5.94
62位 韓国 5.845

 

 

人生の自由度、他者への寛容さ

台湾での生活で感じた日本との違いは人生の自由度、他者への寛容さである。

仕事上において日本は我慢を美徳とする風習があり、決まったレールから外れないようにする事が求めらる。対して台湾は我慢せずにお互いが意見を言い合い、気に入らなければ別の会社で働くという傾向が強い。

ファッションにおいても台湾ではタトゥーが入っていても軽蔑の目でみられる事は無く、街を歩けば普通に目にする。服装は年齢相応の服を着ないとといったような感じは無く、皆が自分の好きな服を着ている。台湾のデジタル担当大臣のオードリータンさんからも見て取れるように、最低限のTPOはあるものの日本よりは厳しくは無いのである。ちなみに私は台湾企業で初めての出社初日に、社長からスーツで来るのは止めて欲しいと言われた経験がある。

又、台湾では同性の結婚が認められており(現状台湾国籍同士に限る)、ジェンダーに関しての寛容さも高い。街中で男性同士や女性同士が手を繋いでいても振り返ってじろじろ見るような感じも無く、良い意味で自分以外にはあまり興味が無く干渉しないのだろう。最近では若い世代(特に女性)では同性のパートナーがいるというのはカッコいいような風潮もあるらしく、学校の友達にも普通に伝えるというから驚きである。

そんなストレートな表現の多い台湾人で面白いと思ったのは、友人との考えが違う時に仲の良い関係性であれば忖度せずに直接伝える事である。友人の服がダサいと思えば「今日の服ダサいよ」と言うが、言われた方も「私はこれが好きだから」と気に掛ける様子が無いのは日本人には無い感覚で、自分を持っている台湾人の特徴だろう。

こういった人の目を気にしない自由な生き方で、自分と違うスタイルの人への寛容さがあるのは台湾の良い所であり、これが幸福度が高さに繋がっているではないだろうか。

 

新卒採用は無いし、転職も当たり前

台湾では日本のように大学3年時に黒髪にしてリクルートスーツを着て会社説明会に参加するという文化が無いので(そもそも日本くらいかと)皆個人のタイミングで就活を始める。卒業数カ月前から就活を始める真面目な人もいるが、そういった人は少数派だろう。男性の場合は卒業後に兵役に行く人も多く、兵役まではアルバイトをして兵役終了後に仕事を探し始める人も多い印象である。

台湾の大学は6月に卒業なのだが、調査によると8月に正社員として働いている新卒は3割程度だとか。派遣などもほとんど無い台湾なので、残りの7割はほとんど無職かアルバイト等だろう。何をしているかというと、1.2か月は旅行したり好きな事してからゆっくり仕事を探すというのが台湾流との事。

又、希望の職業に付けない場合や学歴社会の台湾では自己のスキルアップの為にとワーホリや留学で海外に渡る選択をする人も多い。日本と同じ島国であるが、国土や市場の狭さ、中国との関係等の理由から若い頃から世界に目が向いているのも台湾人の特徴の一つである。

仕事はいつ始めても、どこで働いても良いというような考えなので大学時代から思い詰めるような日本よりはプレッシャーは少ないのだろう。

 

さらに台湾では転職に関して後ろ向きな考えは無く、転職を通してキャリアップしていくのが一般的である。日本のように会社の為に身を削るという考え方は皆無で、もし会社の雰囲気や上司、同僚が気に入らなければ入社後数日で辞めてしまうというのもよく耳にする。中国語で新鮮人と呼ばれる大学卒業したばかりの新卒は企業に入社しても約75%が2年以内に離職するというデータからも、台湾人の我慢しなさ、自由さがわかるだろう。

 

転職回数に関しても、多いからといって大幅マイナスになる事もなく、逆にある程度の年齢で一回も転職を経験していない事で勉強する気が無いとも捉えれる事もあるそうなのでここでも文化の違いは大きいと感じる。

 

そして台湾は日本に比べて仕事に関しての優先順位が低い。例えば彼女が引っ越したので彼女について行く(逆もある)、少しの給与の差や同僚と嫌な事があった等でも転職してしまうなど、仕事よりも自分、家族や身内を大事にする事が一般的である。

 

台湾ではこういった仕事に対する我慢や仕事をしなくてはいけないというプレッシャー少なさ、自分のやりたい事をやるという事が幸福度の繋がっているのではないだろうか。

 

台湾は昔の日本?

台湾人は人との距離感が近い。これは賛否あるだろうがこういった人間関係は幸福度に影響するのではないだろうか。

私が体験した事では奥さんが子供を出産する際に、旦那はベビー教室や定期健診に一緒に通ったり、出産後も病院に泊まって奥さんのケアをしたりとパートナーに寄り添う方が大多数だった。今の日本ではここまで家族に寄り添う人は少ないのではないだろうか。

又、東日本大震災で台湾の寄付額も印象に深いだろうが、台湾の方は寄付やボランティアに関心がある方が多い。私の会社でもグループlineで外国人労働者が病気になったので募金して欲しいといったような内容が送られてきて事があり、私は当初スルーしていたのだが(最低ですね)、次々と募金するとの声が上がり会社内で1/4~1/3位の方が募金していたと思う。

他には知り合いの台湾人の話だが、20年近く前に家の近くのコンビニで困った様子の人がいたので声を掛けたそうだ。その人は日本人だったらしく、スマホも無い時代で片言の英語でお互いに話したとの事だった。どうやらお金に困っているようで、泊まる所も無いとの事で2日間家に泊めてあげたとの事だった。

 

なんというか台湾人って昔の日本の田舎の人のような性格なんだろう(良い意味で)。困っている人がいたら助ける。おせっかいだけどどこか憎めない。そんな多くの日本人が忘れてしまった温かさがある。

ただ台湾でも徐々に日本のように核家族化が進み、このような台湾人も減ってくるだろう。どこか寂しさを感じるが世の中の流れには逆らえない。

 

自分のスタイルを貫く利己的に思える台湾人であるが、こういった利他的な部分も強くそれが幸福に繋がっているのではないだろうか。

 

最後に

幸せとは人それぞれであり、ランキングが1位でも100位でも自分の幸福度にそれほど関係が無いのかもしれない。

実際台湾と日本の世論調査以外の6項目の合計はほぼ同じ数値だった。という事は世論調査の自分が幸せですかという質問の答えに差が多かったという事だ。

国や会社、環境を否定しても幸せにはならない。自分で勇気を持って少しでも環境や考え方を変えてみるのがいいのではないだろうか。

結局自分を幸せに出来るのは自分自身しかいないのだから。

 

 

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