台湾で起こった一つの奇跡
台湾で初めて行った体外受精は失敗に終わり、金銭的な問題、里帰りの日程などもあり一先ずは2度目の体外受精は年明けまで保留する事となった。
その間に妊活の一つで嫁は自分の体を良い状態にしておきたいという事で、信頼している中醫(漢方のお医者さん)へ通いだした。
台湾では中醫は一般的に利用されており、金額も良心的なので150~200元(約500~700円)で済むので多くの人で賑わっている。
※粉末の漢方は安く、自分で煮出すタイプの漢方は値段が高くなる。
嫁は自分で煮出すタイプの漢方を使っており、週に数回で煮るので、家の中は漢方の臭いが充満していたが、まあ我慢していたのだった。
年末も近くなって来た。飛行機のチケットは半年前に既に買っていたのだが、家族や友人達へのおみやげ等はまだ買っていなかったので週末は市場やら台湾のスーパーへ買い出しにいったりして過ごしていた。
台湾限定のほんだしやら、カラバンウイスキーだの、定番のパイナップルケーキも買わないとと結構な手間だと思いつつ、久しぶりに会う家族や友人の顔を思い浮かべるとそんな手間だという考えは吹き飛んでいった。
そんなこんなで数カ月が過ぎていった。
そんなある日突然嫁がテンションMaxで寝ている自分を起こしてきた。
『妊娠した!』
といい検査薬を見せる嫁
『???!!!!』
晴天の霹靂、 寝耳に水、どちらでも良いが不妊と聞かされていたので最初は理解出来なかった。
病院では不妊と診断され、自力では無理だと諦めていた矢先の嬉しいニュース!
その後病院で検査し、本当に妊娠している事が判明。
医者が言うには、体外受精の際に子宮の状態を良くするような薬を使っていた事もありそれがよかったのかもとの事。
自分的には漢方のような気もしなくもないがこればかりはわからない。
理由はこの際どっちでも良いか。
ただ、医者が言うには嫁の年齢も若くは無いので、大事を取って飛行機などには乗らない方が良いとの事となった。
という訳で慌てて親や友人に状況を説明して日本に行けなくなる旨を話し、決まっていた予定やレストランなどの予約は全てキャンセルにしてもらう事に。
あ~日本料理食べたかったよ。
おせちなども兄家族に頑張って食べてくれと言い残し、今年は台湾で年を越す事になったのだった。
突然の嬉しいニュースでばたばたして皆に色々と迷惑を掛けてしまったが、皆理解してくれたので助かった。
家に戻って家族や友人の為に買っておいたお土産達の山をみたら、これどうしようかなと冷静になれた自分がいた。
そんな台湾で起きた小さな奇跡のお話でした。