【台中生活】Taichung Life

台湾の台中での日常生活のあれこれを書いてます。

日本語教師を2年して思う事をつらつらと書いていこうかな

日本語を教える仕事を始めて2年が経とうとしている私ですが、現在も本業の傍ら週に2.3回授業をしているパートタイムで日本語教師としても働いています。台湾に来るまでは日本語に関する勉強などは全くした事がなかったんですけどね。

日本語教師を始めるにあたって、日本語教師として働いている方には失礼となるかもしれないのですが、台湾で日本語教師になるには苦労はほぼなかったです。塾によって多少採用の水準は違いますが、大学卒業証明があれば即採用だったり、一回30分程度の模擬授業を行ってという学校もありました。なる事には苦労は多く無かったものの、その分仕事を始めた後は苦労の連続だったのですが…

※大学などの公的機関では日本語教師養成講座などが必須条件となる事も多いです。

採用されたはいいけど、台湾では日本語教師としての訓練期間は全く無かった私。私の場合は学校から「他の先生の授業を見学してきてと言われ」1コマ1時間半見学が終わったら教材を渡されて「明後日からこの授業担当ね」といった軽い無茶ぶりで教師生活はスタートしたのでした。

大まかな進め方はわかったものの、教師としての知識は皆無な状況。自動詞、他動詞って何だっけってレベル。助詞の『は』と『が』の違いなんてわかるわけもないですわ。

取り合えず予習をしっかりして臨む事しかできないわけですが、授業では生徒に囲まれ先生と呼ばれると緊張感はより増して、変な冷や汗が出て来たのを覚えていますね。

授業を行ってみた感想は、間違いは正せるが論理的な説明が全く出来ない事でした。

 

例えば

昔々あるところにおじいさんとおばあさん『が』いました。おじいさん『は』山へ芝刈りにおばあさん『は』川へ洗濯に行きました。

というなんて事は無い文章ですが「何で最初の助詞は『が』で次は『は』になるんですか?」と言われたらほとんどの日本人は説明出来ないですよね?

予習していたとしても日本人だとこういった外国人が気になるポイントには気が付かないのが難点なんですよね。生徒に聞かれて初めて外国人はこういった部分がわからないんだなと教えるポイントも理解出来るようになっていったのだけど、授業する度に教師としてのレベルの低さを痛感させられる日々を過ごしましたとさ。

 

又、台湾の民間語学学校は教え方が個々の教師により異なる事が多いと感じます。教師全員が似た様な水準で同じ事を教えるという考えは無く、皆が個人事業主であり競争して人気がある教師が生き残るというのが台湾流なのでしょう。

マッサージ店を例に挙げると、台湾では同じ店でも担当によって流れは全然違う事が当たり前にあります。ある時、1人のマッサージ師に「おススメの機械持って来たんだけど使って見ない?」と言われたので了承すると自分で買ったのだろうか、吸引式のカッピングみたいなのでずっと吸われ続けた事があったし、暖かいゆたんぽみたいなので全身を覆われて汗だくになる事もありました。まあ自分が興味本位でOKといったのが原因ではあるんですけど…

 

なので、比較的自分の教えたいように出来る所が今の学校の良い所ですが、生徒の支持が得られないとただの独りよがりになってしまい、最悪の場合は担当の授業が無くなってしまうので見極めのセンスを必要ですね。

生徒の増減がある理由として、現在教えている学校はサブスク制度を採用しており、生徒は基本的に授業が受け放題という画期的なシステムだからです。私が住んでいる地域は台中という台湾の真ん中であり、交通手段は原付8割、バス2割といった感じでほとんどの生徒は原付が移動手段です。語学学校も台中市内に点在しており、バイクを10分も走らせれば他の校舎に行けるので先生が気に入らなければ生徒は他の校舎で授業を受けるという選択をする事が大半。なので人気が無ければ生徒が急に来なくなる事もあるし、逆に生徒のハートを掴めればわざわざ自分の授業日を探して受けに来てくれるというという事もあるんですね。

 

そんな中で開始当初、私は自分の教師としての能力が高くない事を理解していたので、受け持った授業ではなるべく生徒の質問しやすい、会話をしやすい環境を心掛け、わからない事は素直に次の授業で伝えるといった方法を取りました。幸い生徒の層はがっつり試験対策や文法を学びたいという人は少なく、趣味や旅行の際に生かしたいといった方が多かったので割と私のやり方とはマッチしたと思ってます。

他に気に掛けているのは褒める事。どんな人でも褒められればモチベーションになるし、気分良く授業が受けれます。ただ、どうしてもクラスの中でもレベルの差があるのでレベルの高い人を褒めてしまいがちですが、レベルの低い人こそほど褒める事が重要なんですよね。大体の場合はレベルの高い人達のみが会話の中心となってしまうので、レベルの低い人達が付いていけなくなり授業がつまらなくなってしまうからです。出来る人を褒めるのは簡単だけど、出来ない人良い所や褒め所を探すのって難しいんですけどね、大事ですよ。

 

生徒の層で感じた事は比較的年齢層が高い事ですかね。自分のクラスも平均年齢を出したら40歳前後ですね。定年後のおじいちゃん、おばあちゃんから主婦、20代の社会人、10代の学生など幅広いので面白い。職種も様々で、弁護士の方や医者の方などもいたりして、そんな方々に先生と呼ばれるのは結構なプレッシャーでしたが良い経験にもなったかな。年配の方が頑張って勉強していると、自分も中国語勉強しなきゃなといい刺激になりますしね。

 

又、日本語学習のきっかけを聞くと半数以上は日本のドラマやアニメ&漫画、ゲームといったエンタメの影響という方が多いです。今では韓流に押されていますが、10年以上前や日本のドラマの人気は高く、木村拓哉や加藤鷹などは台湾人のほとんど知ってますね。加藤鷹はちょっと違うか…まあそっち系も台湾人はとっても詳しいので。

他には旅行の時に使えると便利だから習っているという方が多く、日本旅行が身近で日本人よりも色々な所へ行っている方が多いのには驚かされました。日本通な方だと小豆島とか礼文島とか行ってたりしますからね。大阪、京都も行った事ない自分としては恥ずかしくなりますわ。

そんな話をしているとエンタメで日本を知ったり、日本を好きになる事が多いんだなとしみじみと感じますね。漫画やアニメもバカには出来ない、立派な日本文化ですね。

 

 

まあつらつらと感想を書いて何を言いたいのかわからなくなりましたが、教える事って思っている以上に難しいし、親になるのと同じで教える事で自分自身が学ぶ事が沢山ありますね。でもそれ以上にやりがいがあるし、素敵な仕事だと思うのでボランティアでも語学交換でも良いので気になる方は一度挑戦してみてはいかがですか?

 

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